リクガメは元々日本には生息していません。ペットとして持ち込まれているのです。しかし、この持ち込まれたさまざまな生き物が日本で帰化して、生態系を脅かしているのが問題となっています。
日本で帰化し、いまや日本各地の池、沼、川で大繁殖。在来種を追いやるほど生息数を増やしたカメといえば、ミシシッピアカミミガメですね。
地域の差はあるかもしれませんが、在来種のニホンイシガメと、餌となる淡水エビや、昆虫類などの取り合いになってしまいます。しかし、身体の大きさがオスでは3倍近くになることもあったり、生息できる水質もニホンイシガメは限定的になります。これらのことから、どうしても生存競争ではミシシッピアカミミガメが優位になり、現在の日本の河川ではほぼ、この外来種のミシシッピアカミミガメしか見かけなくなりました。
帰化した要因
なぜこれほど増えてしまったのか。
それは
飼育放棄が相次いだためです。
それに加え、元々ミシシッピアカミミガメが日本の気候に適応できる種であったこと、日本には外敵が少なかったことなどもありました。そのため、この数十年で爆発的に日本で増えていったのです。
なぜ捨てられたのか
一時期メディアで、ミシシッピアカミミガメはサルモネラ菌を保有していると報道されたり、最初はピンポン玉サイズだったのが甲長30cm近くになり、こんなに大きくなると思わなかったなど、凄く身勝手な理由で放棄されていきました。
サルモネラ菌はどの爬虫類でも保有しています。害はないとはいいませんが、普通に手洗いすれば問題はまずありません。
むしろ日本固有種のアカハライモリのテトロドトキシン、ヒキガエルのブフォトキシンなどは本物の毒なので、こちらの方が危険です。
まとめ
現在はTV番組などで「外来種を悪」というふうに扱い、嫌われ者になりつつあります。しかし、元々は愛玩用として飼育されていたものが、人間の都合で捨てられただけなのです。
可愛がっていたものが嫌われ者になってしまう。
生き物好きとしては残念でなりません。
私は今現在ヘルマンリクガメを飼育していますが、この種も日本の気候に適応できます。
ロシアリクガメもそうですが、通年日本の屋外で飼育できてしまいます。
しかも庭などに雑草があれば、ほぼ放置でき、実際にそのような飼育をされている方もいます。
なかなか別個体と出会い、繁殖まではいかないかもしれませんが、多数が遺棄されれば、日本に帰化してしまう可能性はゼロではありません。
過激ですが、外来種のアメリカザリガニを捕まえたとき、飼育してもいいが、子供が飽きて棄てる時は、殺してから棄ててくださいと言われた時は衝撃でした。
第二のミシシッピアカミミガメを出さなないためにも、私達飼育者は責任を持って、最後まで自分の管理下で寿命を全うできるようにしてあげたいですね。